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高岡の街角に佇む青銅の巨像は、時を超えて人々を見守り続ける存在です。高さ約16メートル、重量65トンの阿弥陀如来坐像は、その端正な顔立ちから「日本一の美男」とも称され、訪れる者の心を静かに包み込みます。(takaoka.or.jp)
この大仏の歴史は、13世紀に遡ります。源義勝が承久の乱を避けて越中の地に入り、二上山麓に木造の大仏を建立したのが始まりと伝えられています。その後、加賀藩二代藩主・前田利長公が高岡城を築城する際に現在の地へ移されました。(takaokadaibutsu.xyz)
しかし、度重なる大火により、初代、二代目の木造大仏は焼失の憂き目に遭います。1900年の大火で二代目が焼失した後、市民の強い願いと地元の銅器職人たちの技術が結集し、1933年に現在の青銅製大仏が完成しました。火災に強い青銅製とすることで、再び失われることのないよう願いが込められています。(takaokadaibutsu.xyz)
参道を進むと、仁王像が出迎えます。阿形像は怒りを顕わにし、吽形像は怒りを内に秘めた表情で、仏敵の侵入を防ぐ守護神としての役割を果たしています。(partner.chiiki-zukan.com)
大仏の台座内部は回廊となっており、壁面には地獄絵などの仏画13作や、1900年の大火で焼失を免れた二代目高岡大仏のご尊顔が安置されています。これらの仏画は、かつて高岡駅前にあった樹齢数百年の神木「七本杉」の伐採木をキャンバスに用いて描かれています。(partner.chiiki-zukan.com)
また、境内には200年以上前から時を告げる「時鐘」があり、現在も毎日午前6時と午後6時の2回鳴らされています。これは、時計が普及していなかった江戸時代に、町民が規則正しい生活を送れるようにとの願いから製作されたものです。(partner.chiiki-zukan.com)
高岡大仏は、地元の人々から「だいぶっつぁん」と親しみを込めて呼ばれ、高岡のシンボルとして愛され続けています。その穏やかな微笑みと堂々たる姿は、訪れる者に安らぎと敬意を抱かせ、時代を超えて人々の心に深く刻まれています。(takaokadaibutsu.xyz)