電電宮

電気と電波の守護神

About

京都嵐山の静寂な山間に佇む法輪寺の境内、その石段を上る途中、朱塗りの鳥居がひっそりと姿を現す。ここに鎮座するのが、電気と電波の祖神を祀る電電宮である。古来より雷や稲妻の神として崇められてきた電電明神が、現代においては電気・電波の守護神として信仰を集めている。

電電宮の起源は、平安時代前期の僧・道昌が百日間の求聞持法を修し、満願の日に井戸で水を汲んでいると、天空から明星が降り注ぎ、虚空蔵菩薩が来迎したという伝説に遡る。この示現を受け、明星天子を本地仏とし、雷の神である電電明神を祀る明星社が鎮守社として建立された。しかし、元治元年(1864年)の禁門の変で堂社ともども焼失し、長らく仮宮のままとなっていた。昭和31年(1956年)、電気・電波関連業界の発展を祈願するため、電電宮として新たに奉祀され、昭和44年(1969年)には大阪万博を記念して社殿が再建された。 (kokuzohourinji.com)

境内には、電気・電波の発展に貢献した先覚者を顕彰する電電塔が建てられている。その壁面には、電球を発明したトーマス・エジソンと、電磁波の存在を証明したハインリッヒ・ヘルツの胸像が掲げられ、彼らの功績を称えている。 (fbnews.jp)

毎年5月23日には、電電宮大祭が執り行われ、電力、電機、電波、電子各業界の関係者が参詣し、事業の発展と安全を祈願する。また、電電宮では、携帯電話に挿入できるマイクロSDカード型の御守や、電子情報機器の守護ステッカーなど、現代の技術と信仰が融合した授与品も用意されている。 (fbnews.jp)

嵐山の自然に抱かれたこの地で、古の信仰と現代の技術が交差する電電宮は、訪れる者に深い感慨と新たな気づきをもたらしてくれる。