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有田の町を見下ろす小高い丘に、陶山神社は静かに佇んでいます。参道を進むと、目の前にJR佐世保線の線路が横切り、遮断機のない踏切が現れます。電車が通過する際には、神社の境内を列車が駆け抜けるという、他では見られない光景が広がります。
踏切を渡り、石段を上ると、白磁に淡いブルーの唐草文様が描かれた美しい磁器製の鳥居が参拝者を迎えます。この鳥居は、明治21年(1888年)に地元の陶工たちが寄進したもので、高さ3.7メートル、幅3.9メートルの堂々たる姿を誇ります。長い年月を経て、2020年には修復が行われ、建立当時の輝きを取り戻しました。 (arita.jp)
境内には、磁器製の狛犬や大水瓶、灯籠など、有田焼の技術の粋を集めた奉納品が点在し、まるで野外美術館のような趣を醸し出しています。これらの磁器製品は、地元の陶工たちの信仰心と技術力の高さを物語っています。 (asobo-saga.jp)
社務所では、磁器製の可愛らしいお守りが授与されており、旅の思い出として手に取る参拝者も多いと聞きます。これらのお守りは、神社内の窯で神職自らが焼き上げたもので、その温もりが感じられます。 (asobo-saga.jp)
春には桜、秋には紅葉が境内を彩り、四季折々の美しさを楽しむことができます。特に紅葉の季節には、モミジが鮮やかに色づき、訪れる人々の心を和ませます。 (jpnspot.com)
陶山神社は、磁器の町・有田の歴史と文化を今に伝える、心温まる場所です。参拝を通じて、有田焼の魅力と、そこに込められた人々の思いに触れてみてはいかがでしょうか。