阿波おどり会館

一年中阿波おどりを楽しめる文化施設

About

徳島市の中心部、新町橋二丁目に佇む一角に、阿波おどりの魂が息づく場所がある。そこは、伝統と現代が交差する舞台、阿波おどり会館。この地に足を踏み入れると、四百年の歴史を誇る阿波おどりの鼓動が、訪れる者の心を揺さぶる。

会館の扉を開けると、まず目に飛び込んでくるのは、徳島の特産品が並ぶ「あるでよ徳島」。藍染めの工芸品や、すだちの爽やかな香りが漂う菓子、鳴門金時を使った甘美なスイーツなど、地元の恵みが所狭しと並ぶ。ここは、徳島の文化と味覚を一度に堪能できる宝庫だ。

階段を上がり、二階の阿波おどりホールへと進む。そこでは、専属連「阿波の風」が、日々四回の公演を行っている。軽快な三味線の音色、力強い太鼓の響き、そして踊り子たちの躍動感あふれる舞い。観客も誘われ、共に踊る体験コーナーでは、誰もが「踊る阿呆」となり、心躍るひとときを過ごす。

三階の阿波おどりミュージアムでは、阿波おどりの歴史と文化を深く知ることができる。衣装や小道具、鳴り物の展示に加え、デジタル技術を駆使した体験型ブースも設置されている。等身大のタッチモニターに映し出されるCG映像をもとに、総踊りの中心で踊るバーチャル体験や、ゲーム感覚で鳴り物を演奏するコーナーなど、子どもから大人まで楽しめる工夫が満載だ。

五階に上がれば、眉山ロープウェイの山麓駅がある。ここから約六分の空中散歩で、眉山の頂へと導かれる。山頂からは、徳島市街のパノラマが広がり、遠くは淡路島や紀伊半島まで望むことができる。夕暮れ時には、街の灯りが宝石のように輝き、訪れる者の心を奪う。

阿波おどり会館は、単なる観光施設ではない。ここは、徳島の誇りである阿波おどりを未来へと伝えるための舞台であり、訪れる人々にその魅力を余すことなく伝える場所だ。伝統と革新が融合したこの空間で、阿波おどりの真髄に触れ、心躍る体験をしてみてはいかがだろうか。