舟塚古墳

法隆寺近くに位置する6世紀後半の円墳

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法隆寺の参道脇、観光バスの駐車場の一角に、ひっそりと佇む小さな円墳がある。直径約8.5メートルのこの古墳は、周囲の植栽に溶け込み、訪れる人々の目を引くことは少ない。しかし、この地には古くから「クスノキの舟が出土した」という言い伝えがあり、「舟塚古墳」として知られていた。

2019年度から始まった発掘調査により、この円墳が6世紀後半に築かれたものであることが明らかとなった。横穴式石室の一部や須恵器、鉄製の大刀2振、馬具類、琥珀玉など、多くの副葬品が出土し、被葬者がこの地域の有力者であったことを物語っている。特に、石室の一部が破壊されていることから、7世紀に何らかの理由で石室が壊された可能性が高いとされ、法隆寺建立との関連性も指摘されている。 (narakko.jp)

この小さな古墳は、法隆寺の壮大な伽藍の影に隠れ、長い間その存在を静かに保ってきた。しかし、発掘調査によって明らかになった歴史の断片は、訪れる人々に新たな驚きと感動を与えている。法隆寺を訪れた際には、この舟塚古墳にも足を運び、古代の息吹を感じてみてはいかがだろうか。