細辻伊兵衛美術館

京都市中京区の手ぬぐいアート美術館

About

京都の中心部、室町通三条上ル役行者町368に佇む細辻伊兵衛美術館は、400年以上の歴史を誇る綿布商「永楽屋」の伝統と革新が息づく場所です。1615年の創業以来、代々の当主が「細辻伊兵衛」の名を受け継ぎ、手ぬぐいをはじめとする綿布製品を通じて日本の文化と美意識を伝えてきました。

美術館の外観は、伝統的な銅板一文字葺きの工法を用いた外壁が特徴的で、時とともに変化する風合いが訪れる人々を迎えます。玄関脇には、独創的なデザインの美術館名が刻まれ、伝統と現代アートの融合を象徴しています。

館内に足を踏み入れると、まず目に飛び込んでくるのは、江戸から令和に至る各時代の手ぬぐいの数々です。1階の展示スペースでは、時代ごとの文化や風俗を反映した手ぬぐいが約30点展示されており、そのデザインや色彩から当時の生活や美意識が垣間見えます。例えば、昭和初期の作品「やれやれ」は、交通整理を行う警官の姿をユーモラスに描き、時代の変化を軽やかに表現しています。 (prtimes.jp)

2階に上がると、歴代の細辻伊兵衛の功績を辿る展示が広がります。狩野派の画家、狩野山雪による重要文化財「雪汀水禽図屏風」を基に作られた袱紗や、1700年代に4代目伊兵衛が作成した数え歌形式の家訓「教訓大黒舞」など、細辻家の歴史と文化への深い関わりを物語る貴重な資料が並びます。 (kyotoside.jp)

美術館の入館チケットは、世界初の試みとして手ぬぐいが採用されています。現当主である十四世細辻伊兵衛によるオリジナル小巾木綿生地「十四世」を使用し、型友禅の技法で染め上げられたこの手ぬぐいは、観賞後も様々な用途で活用できる持続可能な取り組みとして注目を集めています。 (prtimes.jp)

併設のミュージアムショップでは、復刻版をはじめとする多彩なデザインの手ぬぐいや風呂敷、鞄などが販売されており、訪れる人々にとって特別な一品を見つける楽しみがあります。美術館のロゴデザインは、アーティストの立花文穂氏によるもので、伝統と現代の感性が見事に融合しています。 (colocal.jp)

細辻伊兵衛美術館は、手ぬぐいを通じて日本の美意識と歴史を伝えるだけでなく、伝統と革新が共存する京都の魅力を体感できる場所です。ここを訪れることで、時代を超えた日本の美と文化に触れることができるでしょう。