琴弾公園

巨大な「寛永通宝」銭形砂絵で有名な公園

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瀬戸内海の穏やかな波音が響く有明浜、その白砂の広がりの中に、東西122メートル、南北90メートル、周囲345メートルにも及ぶ巨大な砂絵が静かに佇んでいます。これは江戸時代の貨幣「寛永通宝」を模したもので、琴弾山の山頂から見下ろすと、見事な円形を描き出しています。

この砂絵の起源には諸説ありますが、最も広く伝えられているのは、寛永10年(1633年)に丸亀藩主・生駒高俊公を歓迎するため、地元の人々が一夜にして作り上げたというものです。しかし、寛永通宝が実際に鋳造されたのはその3年後の寛永13年(1636年)であり、この説には疑問も投げかけられています。他にも、幕末の1855年頃、藩主・京極朗徹公が砲台視察の際に一興として造られたという説も存在します。いずれにせよ、この砂絵の正確な起源は未だ謎に包まれています。 (shikoku-np.co.jp)

この銭形砂絵には、「これを見た者は健康で長生きし、お金に不自由しない」という言い伝えがあります。近年では、これを見て宝くじを購入した人が高額当選したという話もあり、金運スポットとして多くの観光客が訪れています。 (kanonji-kanko.jp)

砂絵の美しさを保つため、毎年春と秋には「砂ざらえ」と呼ばれる清掃活動が行われています。この活動には市民を中心に数百名が参加し、砂絵を美しく整えます。砂ざらえの際には、通常は立ち入り禁止となっている砂絵の中に入ることができるため、特別な体験を求める観光客にも人気です。 (shikoku-tourism.com)

日没から午後10時まで、砂絵はライトアップされ、幻想的な雰囲気を醸し出します。通常はグリーンのライトアップですが、期間限定でゴールドやブルーに変わることもあります。ライトアップされた砂絵は昼間とはまた違った魅力を持ち、訪れる人々を魅了します。 (kanonji-kanko.jp)

この地を訪れ、琴弾山の展望台から砂絵を眺めると、歴史と自然が織りなす壮大な景観に心を奪われます。砂絵の起源に思いを馳せ、地元の人々の情熱と努力に敬意を表しながら、穏やかな瀬戸内の風を感じるひとときは、訪れる者にとって忘れがたい体験となるでしょう。