湯殿山総本寺 瀧水寺大日坊

山形県鶴岡市にある真言宗豊山派の寺院

About

山形県鶴岡市の静寂な山間に、湯殿山総本寺瀧水寺大日坊は佇んでいます。この地は、弘法大師空海が東北の霊地を求めて旅した際に辿り着いたと伝えられています。彼は大梵字川の流れに五字の真言を見出し、この川上に霊地があると確信しました。その後、櫛引川沿いに進み、石窟で夜を過ごした際、地蔵菩薩が現れ、「仏法興隆の霊地を救い給え」と告げたとされています。この啓示に従い、大網邑に至り、清浄な霊地を見出して伽藍を建立し、湯殿山表口別当滝水寺金剛院大日坊と名付けました。 (toki.moo.jp)

江戸時代、この寺は隆盛を極め、三代将軍徳川家光が疱瘡を患った際、旗本の久米助右エ門が主君の病気平癒を祈願し、家光の眼病が平癒したと伝えられています。しかし、明治時代の廃仏毀釈により、湯殿山は神道の湯殿山神社の管轄となり、1875年には焼き討ちに遭い、伽藍は焼失、三体あった即身仏のうち二体が失われました。その後、1936年に現在の場所に移転し、真如海上人の即身仏を祀る寺として、多くの参拝者が訪れるようになりました。 (ameblo.jp)

真如海上人は生前、弟子たちに「千日後に掘り起こした時には、別にお堂を建てて祀ってほしい」と遺言を残しました。その結果、明治八年の焼き討ちで他の二体の即身仏が焼失した中、真如海上人の即身仏だけが生き永らえ、現在も多くの人々の信仰を集めています。 (ameblo.jp)

この地には、弘法大師が湯殿山権現の霊地を訪ね、赤川を遡り落合まで来た際、川が二つに分かれ、どちらを選ぶべきか迷ったという伝説も残っています。大師は困り果て、川岸の岩窟に入り、日夜仏に祈りを捧げたとされています。 (toki.moo.jp)

湯殿山総本寺瀧水寺大日坊は、歴史と伝説が息づく場所であり、訪れる者に深い感銘を与えます。静寂な山間に佇むこの寺は、時を超えて多くの人々の心の拠り所となっています。