民族共生象徴空間(ウポポイ)

日本初のアイヌ民族の歴史と文化をテーマとした国立博物館

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ポロト湖のほとり、白老町の豊かな森に抱かれた地に、ウポポイ(民族共生象徴空間)は静かに佇んでいます。アイヌ語で「(おおぜいで)歌うこと」を意味するこの場所は、先住民族アイヌの文化と歴史を五感で感じることができる特別な空間です。

湖面は穏やかに陽光を反射し、周囲の緑と調和して、訪れる者を優しく迎え入れます。敷地内には、国立アイヌ民族博物館が堂々と建ち、アイヌの言葉、歴史、世界観、生活様式、交易など、多彩なテーマで展示が行われています。展示室には約700点の資料が並び、アイヌの人々の豊かな文化と深い精神性が伝わってきます。 (hokkaidofan.com)

博物館を出ると、伝統的なアイヌの家屋「チセ」が再現されたコタン(集落)が広がっています。ここでは、アイヌの暮らしや工芸、儀礼などが体験でき、まるで時を遡ったかのような感覚に包まれます。体験交流ホールでは、ユネスコ無形文化遺産に登録されたアイヌ古式舞踊や、伝統楽器ムックリ(口琴)の演奏が披露され、観客はそのリズムと旋律に心を奪われます。 (hokkaidofan.com)

また、工房では木彫や刺繍などの伝統工芸の実演が行われ、職人たちの手仕事の妙技を間近で見ることができます。体験学習館では、アイヌ料理の調理や試食、楽器演奏の体験ができ、訪れる人々にとって忘れがたい思い出となるでしょう。 (hokkaidofan.com)

ウポポイの敷地内には、慰霊施設も設けられています。ここでは、過去に大学などで保管されていたアイヌの人々の遺骨や副葬品が安置され、尊厳ある慰霊が行われています。この施設は、アイヌの人々の歴史と文化を尊重し、未来へと継承していくための象徴的な場所となっています。 (hkd.mlit.go.jp)

ウポポイは、アイヌ文化の復興と創造の拠点として、また、多様な文化が共生する社会の象徴として整備されました。ここを訪れることで、私たちはアイヌの人々の豊かな文化と精神性に触れ、共生の大切さを改めて感じることができるでしょう。

ポロト湖の静寂と、森のざわめきに包まれながら、ウポポイは今日も多くの人々を迎え入れています。ここでの体験は、心に深く刻まれ、未来への希望と共生の道を照らしてくれるに違いありません。