東本願寺

真宗大谷派本山

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京都の中心部、烏丸通に面して佇む東本願寺は、朝の静寂の中でその壮麗な姿を現します。正式には「真宗本廟」と称されるこの寺院は、浄土真宗大谷派の総本山として、長い歴史と深い信仰の息吹を今に伝えています。

1602年、徳川家康から寄進されたこの地に、第十二代教如上人が創建した東本願寺は、以来、幾度となく火災に見舞われながらも、その都度再建され、現在の御影堂は1895年に完成しました。この御影堂は、正面76メートル、奥行き58メートル、高さ38メートルという世界最大級の木造建築であり、堂内には927畳もの畳が敷かれています。その広大な空間は、訪れる者の心を静め、深い敬虔の念を抱かせます。

御影堂の正面にそびえる御影堂門は、高さ27メートルを誇り、京都三大門の一つに数えられています。この門をくぐると、広々とした境内が広がり、阿弥陀堂や手水屋形など、歴史的な建造物が点在しています。特に手水屋形の龍の水口は、その精巧な彫刻が訪れる人々の目を引きます。

境内の北側には、参拝接待所があり、親鸞聖人の生涯や教えに関する展示が行われています。また、東本願寺から徒歩数分の場所には、池泉回遊式庭園である渉成園があり、四季折々の美しい風景を楽しむことができます。

東本願寺は、毎年11月21日から28日にかけて、親鸞聖人の命日を偲ぶ報恩講が行われ、多くの参拝者で賑わいます。この期間中、堂内では念仏や和讃が唱えられ、特に「坂東曲」と呼ばれる独特の節回しは、訪れる人々の心に深く響きます。

近年、東本願寺の門前は「お東さん広場」として整備され、市民や観光客の憩いの場となっています。緑豊かな空間で、歴史と現代が調和するこの場所は、京都の新たな魅力を感じさせてくれます。

東本願寺は、歴史と伝統、そして人々の信仰心が息づく場所として、訪れる者に深い感動と安らぎを与えてくれるでしょう。