晴明神社

京都市上京区の神秘的な神社

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京都の堀川通りを北へ進むと、静寂の中に佇む晴明神社が姿を現す。ここは、平安時代の名高い陰陽師、安倍晴明公の旧邸跡に建てられた神秘的な場所である。一条天皇の命により、寛弘4年(1007年)に創建されたこの神社は、千年以上の時を超えて、今もなお多くの人々を魅了し続けている。

鳥居をくぐると、境内には晴明公が念力で湧き出させたと伝えられる「晴明井」がある。この井戸の水は、病気平癒のご利益があるとされ、今も多くの参拝者がその清らかな水を求めて訪れる。井戸の上部には、陰陽道の象徴である五芒星が刻まれ、毎年立春の日にその年の恵方に向けて調整されるという。

境内には、安倍晴明公の像が静かに佇んでいる。夜空の星を見上げ、衣の下で印を結ぶその姿は、天体を観測し、陰陽道を極めた晴明公の姿を彷彿とさせる。また、古来より魔除け・厄除けの果物とされる桃の石像「厄除桃」もあり、参拝者はこの桃を撫でて厄を払う。

さらに、境内には樹齢推定300年の御神木である楠がそびえ立つ。この大樹に手を当て、その生命力を感じることで、心身の浄化と再生の力を得ることができるとされている。

晴明神社の南には、一条戻橋が架かる。この橋は、晴明公が式神を隠した場所として知られ、また、渡辺綱が鬼女の腕を切り落とした伝説の舞台でもある。現在の橋は新しく架け替えられているが、旧橋の欄干の親柱は神社境内に移され、往時の風情を今に伝えている。

毎年9月の秋分の日には、晴明祭が盛大に執り行われる。前夜の宵宮祭では、御湯立神楽が奉納され、無病息災を願う多くの人々が集う。当日の神幸祭では、神輿が氏子町内を練り歩き、晴明公の御神徳を称える賑やかな行列が続く。

晴明神社は、千年の時を超えて、陰陽道の神秘と安倍晴明公の偉業を今に伝える場所である。その静寂と神秘に包まれた境内を歩けば、平安の昔に思いを馳せ、心の平穏と浄化を感じることができるだろう。

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