旧海軍司令部壕

沖縄県豊見城市に位置する歴史的遺跡

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沖縄県豊見城市の丘陵地に佇む旧海軍司令部壕は、太平洋戦争末期の激戦を今に伝える静寂な証人である。昭和19年(1944年)、日本海軍設営隊(山根部隊)によって手作業で掘られたこの地下壕は、全長450メートルにも及び、約4,000人の兵士が収容されていたという。壕内はカマボコ型に掘り抜かれ、コンクリートと杭木で補強され、米軍の艦砲射撃に耐えうる持久戦の拠点として機能していた。 (naha-navi.or.jp)

戦後、長らく放置されていたこの壕は、数度の遺骨収集を経て、昭和45年(1970年)に観光開発事業団によって司令官室を中心に300メートルが復元された。現在、訪れる者は司令官室、作戦室、医療室など、当時のままの姿を留める空間を巡ることができる。幕僚室の壁には、手榴弾による自決の際に残された破片の跡が今も生々しく刻まれており、戦争の悲惨さを物語っている。 (odnsym.com)

壕内の壁面には、兵士たちが手作業で掘り進めた痕跡が残り、その労苦と決意が感じられる。また、併設されたビジターセンター・資料館には、壕内で発見された銃器や軍服、家族への手紙などが展示されており、訪れる者に戦争の現実と平和の尊さを訴えかけている。 (naha-navi.or.jp)

昭和33年(1958年)には、沖縄海友会ならびに海軍戦没者慰霊之塔建立発起人会によって慰霊塔が建立された。慰霊塔前の広場からは、首里城や南部市街が一望でき、戦争の爪痕が残るこの地で、改めて平和の大切さを噛みしめることができる。 (kaigungou.ocvb.or.jp)

旧海軍司令部壕は、那覇空港から車で約15分の距離に位置し、アクセスも良好である。営業時間は9時から17時まで(最終受付は16時30分)で、年中無休で開館している。参観料は大人600円、小人300円で、団体料金や障がい者手帳の提示による割引も用意されている。 (kaigungou.ocvb.or.jp)

この地を訪れることで、戦争の悲惨さと平和の尊さを肌で感じることができる。旧海軍司令部壕は、過去の教訓を未来へと伝える貴重な場所であり、訪れる者に深い感慨を与えるだろう。

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