広島おりづるタワー

広島市の展望塔

About

広島市の中心部、原爆ドームのすぐ東隣に佇む「おりづるタワー」は、都市の喧騒と歴史の静寂が交差する場所にそびえ立っています。この地は、かつての広島東京海上ビルが改修され、2016年に新たな命を吹き込まれた建物です。建築家・三分一博志氏の手によるこのタワーは、広島の風と水、そして人々の祈りを感じることができる空間として生まれ変わりました。

エントランスをくぐると、広島の名産品が並ぶ物産館「SOUVENIR SELECT 人と樹」が迎えてくれます。ここでは、地元の職人たちが丹精込めて作り上げた逸品が並び、訪れる人々に広島の豊かな文化と歴史を伝えています。

エレベーターで最上階へと昇ると、そこには「ひろしまの丘」と名付けられた屋上展望台が広がります。木の温もりが感じられるウッドデッキの床、そして開放的な空間からは、原爆ドームや平和記念公園、遠くには宮島まで見渡すことができます。ここに立つと、広島の過去と現在、そして未来への希望が一望できるような感覚に包まれます。

展望台からの帰路には、螺旋状のスロープ「散歩坂」を下ることができます。このスロープは、木々に囲まれた穏やかな雰囲気の中、広島の歴史を振り返りながらゆっくりと歩むことができる空間です。途中には、被爆100年となる2045年への願いを込めたアート作品が展示されており、訪れる人々に深い感慨を与えます。

12階には「おりづる広場」があり、ここでは折り鶴を折って「おりづるの壁」に投げ入れることができます。この壁は、訪れた人々の平和への願いが込められた折り鶴で満たされ、時とともにその姿を変えていきます。また、デジタルコンテンツを通じて、広島の歴史や文化を学ぶこともできます。

1階には「握手カフェ」があり、ここでは広島の食材を使ったオリジナルメニューを楽しむことができます。テラス席からは、平和記念公園の緑を眺めながら、ゆったりとした時間を過ごすことができます。

おりづるタワーは、広島の過去と未来をつなぐ架け橋として、多くの人々に愛される場所となっています。ここを訪れることで、広島の歴史や文化、そして平和への願いを深く感じ取ることができるでしょう。