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沖縄本島南端、糸満市摩文仁の丘陵地に広がる平和祈念公園は、青く広がる海と緑豊かな大地が調和する静寂の地です。ここは、かつて沖縄戦の終焉の地として、数多の命が失われた場所であり、今では平和への祈りと追悼の場として、多くの人々が訪れます。
公園内を歩くと、まず目に飛び込んでくるのは「平和の礎」です。この記念碑には、国籍や軍人・民間人の区別なく、沖縄戦で犠牲となったすべての人々の名前が刻まれています。その数は約24万人に及び、石碑が放射状に並ぶ様は、まるで波紋が広がるような静謐な美しさを湛えています。訪れる人々は、刻まれた名前を指でなぞりながら、失われた命に思いを馳せ、平和の尊さを胸に刻みます。
「平和の広場」中央には、「平和の火」が灯されています。この火は、沖縄戦最初の上陸地である座間味村阿嘉島で採取された火と、広島市の「平和の灯」、長崎市の「誓いの火」を合わせたもので、1995年6月23日の「慰霊の日」から絶え間なく燃え続けています。その炎は、戦争の悲惨さと平和への願いを象徴し、訪れる人々の心に深く響きます。
公園内には、沖縄戦の写真や遺品を展示する「平和祈念資料館」もあります。ここでは、戦争の実相を伝える多くの資料が展示されており、訪れる人々に戦争の悲惨さと平和の大切さを訴えかけます。また、摩文仁の丘の上には、国立沖縄戦没者墓苑や各都道府県の慰霊塔が50基以上建立されており、戦没者への追悼と平和への祈りが込められています。
休日には、多くの家族連れが広い芝生で球技を楽しんだり、ピクニックをしたりと、憩いの場としても親しまれています。子どもたちの笑い声が響く中、訪れる人々は平和の尊さを改めて感じることでしょう。
毎年6月23日の「慰霊の日」には、沖縄全戦没者追悼式が行われ、多くの人々が集い、戦争で犠牲となった方々への祈りを捧げます。この日は、平和祈念公園が平和への誓いを新たにする場となり、訪れる人々の心に深く刻まれます。
平和祈念公園は、戦争の悲惨さを伝え、平和の大切さを後世に伝える場所として、多くの人々に愛され続けています。訪れる人々は、ここで過去の歴史に思いを馳せ、未来への平和を願いながら、静かに時を過ごします。