岩国白蛇神社

白蛇を祀る神社で、金運、商売繁盛、健康長寿を祈願

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岩国市今津町の静かな住宅街を歩くと、ふと目に飛び込んでくる白い鳥居。その先に広がるのは、2012年に創建された岩國白蛇神社である。この地は、世界でも岩国にしか生息しないとされる「岩国のシロヘビ」が棲む場所として知られ、古くから人々の信仰を集めてきた。

境内に足を踏み入れると、まず目を引くのが手水舎である。そこには、白蛇が口から水を吐き出す石像が鎮座し、参拝者を迎えている。この水は地下65メートルから汲み上げられた清らかなもので、飲むこともできるという。手を清め、拝殿へと進むと、そこかしこに白蛇を模した意匠が施されていることに気づく。灯籠には白蛇が巻きつき、拝殿の天井には雲のように描かれた白蛇の姿が浮かび上がる。これらの装飾は、東京造形大学教授の彫刻家・小川幸造氏や、「東京スカイツリー」のデザイン監修を行った澄川喜一氏によるもので、芸術的な美しさも兼ね備えている。

神社の御祭神は、宗像三女神である田心姫神、湍津姫神、市杵島姫神と、宇迦之御魂神である。これらの神々は、海上守護や五穀豊穣、商売繁盛、健康長寿など、多岐にわたるご利益をもたらすとされている。特に白蛇は、弁財天の使いとして金運や商売繁盛の象徴とされ、参拝者はその恩恵を求めて足を運ぶ。

境内には、白蛇資料館が併設されており、実際に生きた白蛇を見ることができる。白蛇はアオダイショウの突然変異で生まれたとされ、その白い姿は神秘的であり、見る者の心を奪う。資料館では、白蛇の生態や歴史について学ぶことができ、岩国の人々がいかにしてこの希少な生物を守り続けてきたかを知ることができる。

また、境内には今津天満宮も鎮座しており、学問の神様である菅原道真公が祀られている。この天満宮は、平安時代に道真公がこの地で休息したという伝承に基づいて創建されたもので、受験生や学問成就を願う人々が訪れる。

岩國白蛇神社は、地元の人々によって大切に守られており、定期的に清掃が行われているため、境内は常に清潔で心地よい空間が保たれている。参拝の際には、手水舎で身を清め、拝殿で手を合わせると、時折吹く風が頬を撫で、まるで神様が「よく来たね」と囁いているかのような感覚に包まれる。

この神社は、白蛇信仰と地域の歴史が息づく場所であり、訪れる者に深い感動と安らぎを与えてくれる。白蛇の神秘的な姿と、そこに込められた人々の思いに触れることで、心が洗われるような体験ができるだろう。