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大阪市此花区の夢洲に足を踏み入れると、目の前に高さ12メートルの六角形の建物がそびえ立つ。その白い膜で覆われた外観は、まるで巨大な灯篭のように静かに輝き、訪れる者を優しく迎え入れる。これは2025年大阪・関西万博の「関西パビリオン」。関西広域連合が主導し、滋賀、京都、兵庫、奈良、和歌山、鳥取、徳島、福井、三重の9府県が一堂に会し、各地の歴史や文化、観光の魅力を発信する場である。 (expo2025.or.jp)
エントランスをくぐると、時空を超えた非日常の空間へと誘われる。関西の歴史絵巻をたどるワープトンネルが広がり、来館者を悠久の時の流れに包み込む。その先には、360度のLEDサークルビジョンが設置されたセンターサークルがあり、関西全体の多様な魅力が映し出される。ここでは、古くから日本の中心であった関西の良きところを紹介し、そこに来る人、住む人、働く人がいかに幸せであるか、かつ幸せになりうるかを体感できる。 (future.kouiki-kansai.jp)
各府県の展示ゾーンでは、それぞれの地域が独自のテーマで訪れる者を魅了する。滋賀県ゾーンでは、琵琶湖を中心とした自然の美しさと人々の暮らしが、キネティックライトビジョンを用いた立体的な演出で表現される。兵庫県ゾーンでは、時空を縦横無尽に飛び回るバスツアー「HYOGOミライバス」が、県内の歴史や文化、産業の魅力を伝える。和歌山県ゾーンでは、紀伊山地の巨木を彷彿とさせる映像タワー「トーテム」が設置され、和歌山の自然や歴史が映し出される。 (enjoy-expo2025.com)
鳥取県ゾーンでは、砂を敷き詰めた「無限砂丘」の中で、来館者が虫メガネ型デバイスを使って鳥取の名産品を探し出す体験型展示が行われる。徳島県ゾーンでは、鳴門の渦潮をイメージしたオブジェが設置され、没入型映像によるバーチャル観光が楽しめる。福井県ゾーンでは、実物大のフクイラプトルの模型がお出迎えし、白亜紀から現代、そして未来の福井を大迫力のVR映像で体感できる。 (enjoy-expo2025.com)
三重県ゾーンでは、「伊勢神宮」や「熊野古道伊勢路」から広がる千年を超える歴史物語を体感できる幻想的なトンネルが展開される。奈良県は独自のゾーンを持たないものの、大関西広場や多目的エリア、WEBパビリオンなどでその魅力を発信している。 (enjoy-expo2025.com)
この関西パビリオンは、関西各地の歴史や文化、観光などの多彩な魅力を一堂に集め、訪れる者に関西の奥深さと多様性を伝える場となっている。ここを訪れた人々は、関西の各地へと足を延ばし、さらに深くその魅力を体感したくなるだろう。