大阪市此花区大阪・関西万博日本館

2025年大阪・関西万博の日本館

1931年3月7日に撮影された日本の宮殿の外廊の白黒写真で、古典的な建築様式が示されています。   紺絣未来

About

大阪市此花区、夢洲の地に足を踏み入れると、目の前に広がるのは、2025年大阪・関西万博の日本館。その円環状の建築は、まるで生命の循環を象徴するかのように、無数の木の板が連なり、訪れる者を包み込む。

この日本館は、「いのちと、いのちの、あいだに」をテーマに掲げ、生命の連鎖と循環を体感できる空間として設計されている。館内はプラント、ファーム、ファクトリーの三つのエリアで構成され、それぞれが独自の物語を紡ぎ出す。

プラントエリアでは、万博会場内で発生したごみが微生物の力で分解され、水やバイオガスへと生まれ変わる様子を目の当たりにすることができる。浄化された水は、建物中央の直径19メートルの水盤にたまり、生命の源としての水の尊さを静かに語りかける。

ファームエリアに足を進めると、光エネルギーで藻類を培養する装置「フォトバイオリアクター」が目に入る。ここでは、32種の藻類に扮したハローキティが迎え、藻類が持つ可能性と魅力を伝えてくれる。藻類は、化石資源への依存や食料不足といった現代社会の課題を解決する鍵として注目されており、その未来への希望がここに息づいている。

ファクトリーエリアでは、日本の伝統的なものづくりと最新技術が融合したプロダクトが展示されている。ここでは、ドラえもんが案内役となり、持続可能な未来への道筋を示してくれる。日本の美意識と技術力が結集したこれらの展示は、訪れる者に深い感銘を与える。

さらに、日本館では、南極で発見された世界最大級の火星隕石「火星の石」や、小惑星で採取された砂など、宇宙からの贈り物も展示されている。これらの展示は、地球上の生命の循環が宇宙ともつながっていることを示唆し、私たちの存在の広がりを感じさせる。

建物の内外壁には国産杉の集成材が使用されており、万博終了後には国内で再利用される予定だ。この取り組みもまた、循環の理念を体現している。

日本館を訪れることで、私たちは生命のつながりと循環の大切さを再認識し、持続可能な未来への一歩を踏み出すきっかけを得ることができる。ここでの体験は、心に深く刻まれ、未来への希望とともに記憶に残るだろう。