About
大阪市此花区の一角、淀川の流れを望む高見の地に、大阪市下水道科学館は静かに佇んでいます。この場所は、日々の生活で目にすることの少ない下水道の世界を、訪れる人々に開かれた扉として迎え入れています。
館内に足を踏み入れると、まず目に飛び込んでくるのは、壁と床に映し出される映像が織りなす没入感あふれるシアターです。ここでは、下水道の役割や重要性が直感的に伝えられ、私たちの暮らしと水の流れがどのように結びついているのかを感じ取ることができます。
さらに進むと、街ゾーン、処理場ゾーン、未来ゾーンと名付けられた三つのエリアが広がっています。街ゾーンでは、もしも下水道がなかったらどうなるのか、模型や体験型展示を通じて想像力をかき立てられます。処理場ゾーンでは、下水がどのようにしてきれいな水へと生まれ変わるのか、その工程をゲーム感覚で学ぶことができます。未来ゾーンでは、これからの大阪の水環境と暮らしがどのように変わっていくのか、私たち一人ひとりの行動が未来を形作ることを考えさせられます。
この科学館は、平成7年(1995年)4月29日に開館し、平成30年(2018年)3月からの一時休館を経て、令和4年(2022年)4月1日にリニューアルオープンしました。新たな展示や体験型プログラムが加わり、子どもから大人まで楽しみながら学べる空間へと生まれ変わりました。
また、館内には大阪市の下水道技術の開発や海外展開に関する展示もあり、下水道が単なるインフラにとどまらず、技術革新や国際協力の場としても重要な役割を果たしていることが伝わってきます。
この場所を訪れることで、普段は意識することのない下水道の世界が、私たちの生活と密接に結びついていることを実感できます。水の流れに思いを馳せ、日々の暮らしの中での水の大切さを再認識する、そんなひとときを過ごすことができるでしょう。