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徳島県鳴門市の大塚国際美術館は、世界の名画を陶板で原寸大に再現した、他に類を見ない美術館です。館内には、古代から現代に至るまでの西洋美術史を代表する約1,000点の作品が展示されており、訪れる者を時空を超えた芸術の旅へと誘います。
美術館の入口をくぐると、まず目に飛び込んでくるのは、バチカン市国のシスティーナ礼拝堂を忠実に再現した「システィーナ・ホール」です。天井を見上げれば、ミケランジェロが描いた壮大なフレスコ画が広がり、その迫力に息を呑みます。この空間は、2018年のNHK紅白歌合戦で米津玄師氏が歌唱した場所としても知られ、多くの人々の記憶に新しいでしょう。
館内を進むと、レオナルド・ダ・ヴィンチの「最後の晩餐」が修復前と修復後の両方で展示されています。これらを並べて鑑賞することで、修復による変化や作品の歴史的背景を深く理解することができます。
さらに、ゴッホの「ヒマワリ」7点が一堂に会する展示室も見逃せません。これらの作品は世界各地に点在しており、実際に一箇所で全てを鑑賞することは困難です。しかし、ここ大塚国際美術館では、その夢が叶います。特に、戦火で焼失した「幻のヒマワリ」の再現は、芸術の儚さと再生の力を感じさせます。
屋外に出ると、クロード・モネの「大睡蓮」が展示された庭園が広がります。池には本物の睡蓮が咲き、作品と自然が見事に調和しています。モネが愛した光と水の世界を、ここで体感することができるのです。
大塚国際美術館は、単なる美術館ではなく、世界の名画とその背景にある物語を体感できる場所です。ここを訪れることで、芸術の持つ普遍的な魅力と、それを後世に伝えようとする人々の情熱を感じ取ることができるでしょう。