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和歌山県紀の川市、貴志駅。ここは、かつて一匹の三毛猫が駅長として人々の心をつかみ、世界中から愛された場所である。
2007年1月5日、三毛猫の「たま」が貴志駅の駅長に就任した。その愛らしい姿と穏やかな性格は、瞬く間に話題となり、国内外から多くの観光客が訪れるようになった。たま駅長の存在は、廃線の危機にあった貴志川線を救い、地域経済にも大きな恩恵をもたらした。関西大学の試算によれば、たま駅長の経済効果は年間11億円にも上るという。 (wakayama-dentetsu.co.jp)
たま駅長の功績を称え、2010年には猫の顔を模した新しい駅舎「たまミュージアム貴志駅」が完成した。屋根は伝統的な檜皮葺で仕上げられ、駅舎内には「たまカフェ」や「たまショップ」が併設されている。ここでは、たま駅長をモチーフにしたスイーツやグッズが楽しめ、訪れる人々に癒しと喜びを提供している。 (wakayama-dentetsu.co.jp)
2015年6月22日、たま駅長は16歳でその生涯を閉じた。その後、駅構内には「たま神社」が建立され、名誉永久駅長として祀られている。現在も多くのファンが訪れ、たま駅長への感謝と敬意を表している。 (wakayama-dentetsu.co.jp)
たま駅長の後を継いだのは、同じく三毛猫の「ニタマ」である。2015年8月11日、たまⅡ世駅長として貴志駅の駅長に就任した。ニタマは岡山県出身で、2012年から伊太祈曽駅の駅長兼貴志駅駅長代行として勤務していた。その愛らしい姿と人懐っこい性格で、多くの人々に親しまれている。 (wakayama-dentetsu.co.jp)
さらに、2025年1月7日には、新たに「ごたま」が貴志川線のふく駅長に就任した。ごたまは、かぎしっぽが特徴的な三毛猫で、「福を招く」という意味を込めて「ふく駅長」と名付けられた。これからも、貴志駅と伊太祈曽駅で駅長たちをサポートし、訪れる人々に幸せを届けてくれることだろう。 (www3.nhk.or.jp)
貴志駅は、猫の駅長たちの活躍を通じて、地域のシンボルとして愛され続けている。訪れる人々は、たま駅長の遺志を継ぐニタマやごたまに会いに来るだけでなく、駅舎内のカフェやショップで和歌山の特産品を楽しみ、心温まるひとときを過ごしている。貴志駅は、これからも多くの人々に愛される場所であり続けるだろう。