十日町市立里山科学館 越後松之山「森の学校」キョロロ

新潟県十日町市にある自然科学館

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新潟県十日町市松之山の深い森の中、静寂に包まれた里山に佇む建物がある。その名は「キョロロ」。全身を錆色の鉄板で覆われたその姿は、まるで大地から生まれた蛇のように、周囲の自然と調和しながらも独特の存在感を放っている。

この建物の名は、松之山の里山を代表する野鳥「アカショウビン」の鳴き声「キョロロロロ~」から名付けられた。アカショウビンは南国から松之山に渡ってきて営巣をする渡り鳥であり、田植えの始まる梅雨の季節に飛来することから、地元ではこの時期を「さずえ」と呼び、アカショウビンを「さずえどり」として親しんできた。 (matsunoyama.com)

建物の設計は、手塚貴晴+手塚由比によるもので、豪雪地帯である松之山の厳しい自然環境に耐えうる構造となっている。冬には深い雪の下で潜水艦のごとく重さ2000トンの加重に耐え、蛇のような形状は周辺の散策路をイメージしている。全溶接の鉄板の胴体は、夏と冬で20センチ近くも長さを変えるという。 (echigo-tsumari.jp)

館内に足を踏み入れると、里山の生物多様性や文化に関する展示が広がり、訪れる者を魅了する。また、周囲には日本一美しいと称されるブナの二次林「美人林」や、森林やため池群が広がる約80ヘクタールの里山「キョロロの森」があり、自然観察や各種体験プログラム、体験学習、動植物の保全活動の場として活用されている。 (matsunoyama.com)

四季折々の自然の変化を感じながら、里山の恵みを探す「山菜さがし」や「キノコさがし」、雪原でのスノーシュー体験など、多彩なイベントが開催されている。これらの体験を通じて、訪れる人々は里山の自然と文化の深さに触れ、心に残る思い出を作ることができる。 (matsunoyama.com)

「キョロロ」は、ただの建物ではなく、里山の自然と人々の暮らしをつなぐ架け橋であり、訪れる者に新たな発見と感動をもたらす場所である。ここで過ごす時間は、日常の喧騒を忘れ、自然の息吹を感じる贅沢なひとときとなるだろう。