伊是名城跡

沖縄県伊是名村に位置する琉球式城跡

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伊是名島の東南端、海岸線に接する標高約98メートルの岩山に、伊是名城跡は静かに佇んでいます。その姿は、まるでピラミッドのように切り立ち、天然の要塞を思わせる威容を誇ります。三方を海と絶壁に囲まれたこの城は、かつて難攻不落と称され、北山の軍勢が攻め寄せても落城しなかったと伝えられています。 (okinawastory.jp)

築城は13世紀から14世紀頃とされ、初代城主は伊平屋島出身の佐銘川大主(さめかわうふぬし)で、彼は琉球国第一尚氏王統の第二代国王、尚巴志の祖父にあたります。この城は、琉球王国の歴史において重要な位置を占め、現在は沖縄県の指定文化財となっています。 (izena-story.com)

城跡の頂上からは、青く広がる海が一望でき、見晴らしは格別です。城跡の麓には、伊是名玉御殿(いぜなたまうどぅん)があり、第二尚氏王統初代尚円王の父・尚稷と母・瑞雲の墓として建立され、現在も尚氏後裔の墓として維持されています。 (cmeg.jp)

伊是名城跡は、琉球石灰岩の岩と深い緑に覆われ、石垣の一部が残っており、王城として機能していた頃を彷彿とさせます。また、城内からは貝殻、青磁器、陶器が多く出土し、高麗青磁器片も見つかっています。 (cmeg.jp)

伊是名島では、島の至るところで貝塚が見つかっており、これらは2,500年から3,000年ほど前の先史時代に人々が生活を営んでいたことを示しています。貝塚はもちろん、人骨や縄文土器の破片などが多く発掘されており、文化的な暮らしがなされていたことがうかがえます。 (izena-story.com)

伊是名城跡は、歴史と自然が織りなす静寂の中に佇み、訪れる者に琉球王国の栄華と島の悠久の歴史を感じさせてくれます。その地に立つと、遠い昔の人々の息吹が風に乗って聞こえてくるような、そんな感覚に包まれることでしょう。