リボンチャペル

広島県尾道市にある結婚式用の礼拝堂

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瀬戸内海を見下ろす尾道市の丘陵地に、まるで空に向かって舞い上がるリボンのような建築が佇んでいます。それが「リボンチャペル」です。このチャペルは、二本の螺旋階段が絡み合いながら頂上で一つに結ばれるという独特の構造を持ち、結婚という二人の人生が交わる瞬間を象徴しています。

設計を手がけたのは建築家・中村拓志氏。彼は、別々の道を歩んできた二人が一つになる過程を、二重螺旋の形状で表現しました。この構造は、互いに支え合うことで自立する結婚の結びつきをも示しています。頂上に達すると、瀬戸内の多島美が360度のパノラマで広がり、まるで新たな人生の門出を祝福するかのようです。

このチャペルは、2013年12月に完成し、以来、多くのカップルの門出を見守ってきました。その独創的なデザインは国内外で高く評価され、2014年にはJCDデザインアワード大賞を受賞し、2015年には国際建築賞「リーフ賞」の最高賞にも輝いています。 (atpress.ne.jp)

周囲の自然環境とも調和するよう設計されており、周辺の木々は極力残され、四季折々の風景がチャペルを彩ります。夏には青々とした葉が日差しを和らげ、冬には落葉した枝越しに柔らかな光が差し込みます。このように、自然と建築が一体となった空間は、訪れる人々に深い感動を与えます。

リボンチャペルは、ただの建築物ではなく、人生の新たな章を迎える二人の物語を形にした場所です。その美しさと象徴性は、訪れるすべての人々に、愛と結びつきの大切さを静かに語りかけています。