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名古屋駅前の喧騒の中、ひときわ目を引く存在がある。高さ6メートル10センチ、体重600キログラムの巨大なマネキン、「ナナちゃん人形」だ。1973年4月28日、名鉄百貨店セブン館の1周年を記念して設置された彼女は、以来、名古屋のシンボルとして多くの人々に親しまれてきた。
ナナちゃんの名は、セブン館の「セブン」をもじって名付けられた。彼女の存在は、待ち合わせ場所としてだけでなく、季節やイベントごとに変わる衣装で道行く人々を楽しませている。夏には涼しげな浴衣、冬にはサンタクロースの衣装、時には映画やアニメのキャラクターに扮することもある。その衣装替えは年間50回にも及び、累計で630着以上の衣装を披露してきた。
ナナちゃんの足元には、都市伝説も存在する。彼女の股下をカップルでくぐると別れるという噂や、逆に良いことが起こるという話もある。深夜にナナちゃんが笑う声を聞いた者は不幸になるという怪談も囁かれている。
名古屋駅前の再開発計画が進行する中、ナナちゃんの存続が危ぶまれる声も上がっている。しかし、彼女は名古屋の文化と歴史を見守り続けてきた存在であり、多くの市民がその存続を願っている。
名古屋を訪れた際には、ぜひナナちゃんに会いに行ってほしい。彼女の存在は、名古屋の街の魅力を一層引き立てている。