About
日本海の荒波が打ち寄せる男鹿半島の南端、潮瀬崎の岩礁地帯に、自然が生み出した奇跡の造形が佇んでいる。その姿は、まるで怪獣ゴジラが咆哮するかのような迫力を持ち、地元の人々から「ゴジラ岩」と呼ばれて親しまれている。
この奇岩は、約3,000万年前の火山活動によって噴出した火山礫凝灰岩が、長い年月をかけて風化し、波の浸食を受けて形成されたものだ。その表面には、塩類風化による無数の穴や窪みが刻まれ、まるでゴジラの鱗のような質感を醸し出している。
特に夕暮れ時、太陽が西の空に沈む頃、ゴジラ岩はその真価を発揮する。夕陽が岩の口元に重なると、まるで火を噴くゴジラの姿が浮かび上がるのだ。この幻想的な光景を求めて、毎年多くの写真愛好家や観光客が訪れる。特に4月と10月の中旬が、夕陽と岩の位置が絶妙に重なるベストシーズンとされている。 (akita-oga.com)
ゴジラ岩が位置する潮瀬崎は、他にも「ゴジラのしっぽ岩」や「ガメラ岩」など、ユニークな形状の奇岩が点在する自然の美術館とも言える場所だ。これらの岩々は、男鹿半島・大潟ジオパークの一部として、地球の歴史や自然の力を感じさせてくれる。 (tohokukanko.jp)
この地を訪れる際は、足元に注意しながら岩場を歩き、自然が創り出した壮大なアートを堪能してほしい。そして、夕暮れ時には、ゴジラ岩が夕陽を飲み込む瞬間を目に焼き付けてほしい。それは、自然と時間が織りなす、ここでしか味わえない感動の一瞬である。