つるやパン 木之本本店

滋賀県長浜市の老舗パン屋

About

北国街道の宿場町、木之本の町並みを歩くと、歴史の息吹が感じられる。江戸時代から旅人や商人で賑わったこの地は、今もなおその風情を色濃く残している。そんな町の一角に、1951年創業の「つるやパン」が佇んでいる。大きなコッペパンの看板が目印で、地元の人々に愛され続けている老舗のパン屋だ。

店内に足を踏み入れると、どこか懐かしい雰囲気が漂う。棚には、焼きたてのパンがずらりと並び、その香ばしい香りが食欲をそそる。中でも目を引くのが、黄色いパッケージに包まれた「サラダパン」。ふわふわのコッペパンに、細かく刻んだたくあんとマヨネーズを和えた具材が挟まれている。一見、意外な組み合わせだが、口にするとたくあんのシャキシャキとした食感とマヨネーズのまろやかさが絶妙に調和し、どこか懐かしい味わいが広がる。この「サラダパン」は、創業者の妻である西村智恵子さんが考案したもので、当初はキャベツを使用していたが、日持ちの問題からたくあんへと変更されたという逸話がある。 (kinomoto.jpn.com)

もう一つの看板商品が「サンドウィッチ」。まるい食パンに魚肉ハムとマヨネーズを挟んだシンプルな一品で、地元の人々に長年愛されている。このまるい食パンは、つるやパンの工場で60年以上作り続けられているロングセラーで、その柔らかさとほのかな甘さが特徴だ。 (panportal.jp)

店内には、これらのパンをモチーフにしたオリジナルグッズも並んでいる。エコバッグやTシャツ、キーホルダーなど、どれも可愛らしく、訪れた記念に手に取りたくなるものばかりだ。特に、サラダパンのキーホルダーは、地元企業と協力して製作されたもので、本物そっくりのビジュアルが魅力的だ。 (nagahama.keizai.biz)

店を出て、再び木之本の町を歩くと、歴史ある建物や風情ある街並みが目に入る。近くには、眼病平癒で有名な木之本地蔵院があり、毎年8月には大縁日が開催され、多くの参拝者で賑わう。また、旧滋賀銀行木之本支店を改築した「きのもと交遊館」では、観光案内や休憩スペースが提供されており、旅の合間に立ち寄るのに最適な場所だ。 (shiga-kanko.com)

つるやパンのある木之本は、歴史と文化が息づく町。その中で、地元の人々に愛され続けるパン屋として、つるやパンは今日も変わらぬ味を提供し続けている。訪れる人々は、懐かしさと新しさが融合したこの町で、心温まるひとときを過ごすことができるだろう。