730記念碑

1978年7月30日の交通規則変更を記念する碑

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石垣市の中心部、国道390号線が交差する地点に、ひときわ目を引く石碑が佇んでいます。その名も「730記念碑」。この碑は、1978年7月30日、沖縄県全域で自動車の通行が右側から左側へと一斉に変更された歴史的な日を記念して建てられました。戦後、米軍統治下で右側通行が続いていた沖縄が、日本本土復帰後もそのままであった交通ルールを、6年後のこの日に本土と同じ左側通行へと戻したのです。

この大規模な変更は、前日の午後10時から当日の午前6時までのわずか8時間で行われました。その間、全ての道路標識や信号機が一斉に切り替えられ、午前6時のサイレンとともに新たな交通ルールが施行されたのです。驚くべきことに、この大転換にもかかわらず、石垣市内では大きな混乱や事故はほとんど発生しませんでした。これは、地域住民の協力と準備の賜物と言えるでしょう。

記念碑の周囲は「730シィーシィーパーク」として整備され、地元の方言で「シィーシィー」と呼ばれる獅子像が設置されています。これらの獅子は、交通安全と地域の繁栄を見守る守護神として親しまれています。また、碑のデザインは、当時の交通課職員であった宮良永重氏によるもので、彼は現在も地元の中学生とともに定期的に碑の塗り直しを行い、その歴史を後世に伝え続けています。

この交差点は、石垣市の主要な交通の要所であり、周辺には多くの飲食店や商店が立ち並び、観光客や地元の人々で賑わっています。特に、近隣のユーグレナモールは日本最南端のアーケード商店街として知られ、多彩な店舗が軒を連ねています。また、石垣港離島ターミナルも徒歩圏内にあり、周辺離島へのアクセス拠点としても重要な役割を果たしています。

この場所を訪れると、石垣島の歴史と文化、そして人々の絆を感じることができます。730記念碑は、単なる石のモニュメントではなく、地域の誇りと記憶を象徴する存在として、今もなお多くの人々に愛され続けています。